はじめに
介護サービスに関する情報は、利用者へ公表することになっています。
利用者としては公表された情報を元に介護サービス事業者を選択することができるわけです。
ケアマネ試験では、
どのような情報を誰に報告するのか?
報告しないとどうなるのか? 等が問われていますので確認していきましょう。
まずは全体的な流れから
まずは全体的な流れから確認します。細かいところは後半でみていきましょう。
介護サービス事業者は、介護サービス情報を都道府県知事に報告するように義務付けられています。
報告するタイミングは、サービスを開始するときと都道府県が定めるときです。
報告を受けた都道府県知事は、その内容を公表しなければならなりません。
また、必要があるときには報告した事業者に対して調査を行なうことができます。
介護サービス情報ってなに?
では、事業者が都道府県知事に報告する介護サービス情報とは何でしょうか?
介護サービス情報は
・基本情報
・運営情報
(・任意報告情報)
の3つで成り立っています。
利用者からすると、これらの情報はどの市町村でも同じ項目に沿って公表されないと都合が悪いですよね。そのため、全国一律の項目で情報公表できるように厚生労働省令で定められています。
ただし、報告が任意とされている任意報告情報に関しては、その内容を都道府県知事が定めることとなっています。
基本情報 | 文字通りに基本的な情報 サービス開始時と都道県が毎年定める計画で定めるときに報告する <内容> ・事業所名や住所、連絡先 ・運営方針 ・サービス提供実績 ・苦情対応窓口の状況 ・利用料 ・第3者評価の実施状況 など |
運営情報 | サービスに関する具体的な内容 都道県が毎年定める計画で定めるときに報告する 「基本情報」に加えて以下の事項があります <内容> ・利用者の権利擁護 ・安全・衛生管理 ・サービスの質の確保 ・相談、苦情の対応のための措置 |
任意報告情報 | 従業者や介護サービスの質に関するもの 都道府県知事が定める内容 報告は任意 <内容> ・離職率 ・褥瘡、転倒の発生状況 ・第3者評価の結果 など |
分かりにくい表現ですよね。
都道府県は、介護サービス情報の報告に関する計画を毎年定めて、公表しなければなりません。
その計画に沿って、事業者は報告を行ないます。
そのため、事業者は概ね年に1回は介護サービス情報を報告することになります
「介護サービス情報を毎年報告する」と覚えるのは厳密にはNGとなります。
基本情報は本当に基本的な内容ですね。イメージはしやすいと思います。
それに対して運営情報は少し分かりにくいですが、つまりはガイドラインやマニュアルに書いてあるような内容ですね。どの事業所にも様々なマニュアルがあると思います。転倒予防や褥瘡予防などなど。そのためにどんな措置を講じていますか?という事項に対して、このマニュアルに沿って対応していますと報告するイメージでしょうか。
事業者はこれらの介護サービス情報を都道府県知事に報告しますが、報告を受けた都道府県知事は必要があると認めるときには調査を行なうことができます。
都道府県知事による調査命令・取消など
サービス事業者が、介護サービス情報に関して
・報告しない
・嘘の報告をする
・調査を受けない、もしくは調査を邪魔した
などの場合には、都道府県知事は期間を定めて報告することや調査を受けることを命令することができます。
その命令に従わない場合には、指定の指定の取消等を行なうことができます。
ちなみに、(都道府県が指定を行なうのではなく)市町村が指定を行っているサービス事業者についてはどうなるのでしょうか?市町村が指定するのに都道府県が取消をする?
そんなことはなく、都道府県が指定の取消を行なうべきと判断した場合には、そのことを市町村へ通知することになっています。
都道府県からの委託
都道府県は介護サービス情報の調査を「指定調査機関」に委託することができます。
指定調査機関は都道府県が指定します。
また、都道府県は介護サービス情報の公表を「指定情報公表センター」に委託することができます。
指定情報センターは都道府県ごとに1か所ずつ指定されています。
まとめ
今回は、介護サービス情報の公表について確認しました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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