【試験頻出】要介護・要支援認定について

はじめに

今回は、要介護・要支援認定に関する内容を学んでおきます。

こちらはケアマネ試験では必ず出題される、重要な内容になっております。

また、ケアマネになってからも必ず関わる項目です。

しっかり学んで、確実に点を稼ぎましょう!

要介護・要支援の状態とは?

まずは言葉の定義からです。

「要介護状態というのは介護を要する状態で、要支援状態と比べて重い状態」というイメージはあるかと思います。それで間違っていませんが、しっかり定義がありますので確認しましょう。

要介護状態と要支援状態の定義

要介護状態とは

 6か月にわたり継続して常時介護を要すると見込まれる状態
 *あくまでも予測なので、実際に6か月間、介護を要しなくても良い

要支援状態とは
 「(上記、要介護の定義)」の軽減、もしくは悪化の防止の支援が必要な状態
 6か月にわたり継続して日常生活に支障がある状態

このように、6月以上の継続が見込まれる場合を要介護や要支援と言います。

また、このような状態になる原因について、第1号被保険者と第2号被保険者では少し違いがあります。

要介護・要支援となる原因について

第1号被保険者については、要介護・要支援状態になる原因は不問です。
どのような事故や病気が原因であったとしても、要介護・要支援としての介護給付を受けることができます。

第2号被保険者については、要介護・要支援状態になる原因は限られています。
具体的には『16の特定疾患』が原因と場合にのみ、介護給付を受けることができます。

認定の流れ

① 申請

要介護認定の申請は、市町村の窓口で行います。

申請ができるのは、被保険者本人だけではなく以下の者が代行することができます。

申請代行ができる者

居宅介護支援事業者
介護保険施設(=施設サービス)
地域密着型介護老人福祉施設
地域包括支援センター

成年後見人
社会保険労務士
民生委員

② 認定調査

申請を受けた市町村は、認定調査を行います。
認定調査は、概況調査と基本調査と基本事項の3つから構成されます。

認定調査 = 概況調査 + 基本調査 + 特記事項

概況調査

対象者の住所、氏名、家庭環境などの一般事項を調査する。

基本調査

① 身体機能・起居動作
② 生活機能
③ 認知機能
④ 精神・行動障害
⑤ 社会生活への適応
⑥ 特別な医療(14日以内)
  *点滴、ストマ、HD、酸素、経管栄養、疼痛、モニター、カテーテル、褥瘡
⑦ 日常生活自立度

特記事項

基本調査では表すことができないことを自由記載する部分
介護認定審査会の2次判定に使用する。

介護認定調査は原則は市町村が行います。この理由は、認定調査を事業者に委託することにより、事業者の都合の良いように(儲けが出るように等)結果を出してしまうことを避けるためです。
ただし、以下の者には認定調査を委託することができるようになっています。

認定調査の委託

新規の認定調査

更新の認定調査

市町村

指定市町村事務受託法人

市町村

指定市町村事務受託法人

市町村から委託を受けた者
 ・指定居宅介護支援事業者
 ・ケアマネ
 ・介護保険施設
 ・地域密着型介護老人福祉施設
 ・地域包括支援センター

指定市町村事務受託法人とは、市町村から委託を受けて、介護保険に関わる以下の事務を行うことができる都道府県が指定した法人のことです。
・新規認定調査、更新認定調査
・介護サービス担当者等に対する文書等の求め
新規の認定調査を行うことができるのは、市町村を除けば指定市町村事務受託法人のみです。

上記のように認定調査が実施されますが、以下の場合には市町村は認定の申請を却下することができます。
・被保険者が正当な理由がなく調査に応じないとき
・市町村が指定する医師等の診断を受けないとき
認定を受けたいのなら、しっかりと調査には協力してねということですね。

③主治医意見書

要介護認定には認定調査票だけではなく、主治医意見書も必要です。
これは、全国一律の書式になっており、介護認定審査会が2次判定に使用したり、附帯意見を述べるのに使用されます。
主事意見書を書いてくれるような主治医がいない場合には、市町村の指定する医師、または市町村職員である医師の診断を受ける必要があります。

④一次判定

一次判定には、認定調査票のうち基本調査のデータをもとにコンピュータにて決定されます。
このときコンピュータは『要介護等認定基準時間』を計算しています。

要介護等認定基準時間とは、以下の項目について1日当たりに要する時間を推計したものです。
あくまでも、予測であり実際の介護時間を計算したものではありません。

要介護等認定基準時間

1)入浴、排泄、食事等の介助

直接生活援助

2)洗濯、掃除等の家事援助等

間接生活援助

3)徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等

認知症の行動・心理症状関連行為

4)歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練

機能訓練関連行為

5)輸液管理、褥瘡の処置等の診療の補助

医療行為

上記の5分野の行為に加えて、認定調査票の基本調査項目「6:特別な医療に関連する項目」を元に算出されます。

⑤2次判定

2次判定は市町村に設置された「介護認定審査会」が実施します。

1次判定は基本調査項目のみを使用して判定しましたが、
2次判定では認定調査票の「基本調査」「特記事項」と「主治医意見書」をもとに判定します

2次判定では、以下を判定することになります
 ① 要介護状態に該当するのか?
 ② 該当するならば、介護度はいくつか?
 ③ 第2号被保険者の場合には、要介護状態の原因が特定疾患に起因しているのか?

また介護認定審査会で判定にあたり必要があれば、被保険者や家族、医師等の関係者から意見を聞くこともできます。

介護認定審査会で結果が出たら、その結果を市町村へ通知します。
この際に、介護認定審査会は市町村に対して「付随意見」を述べることもできます。

附帯意見の内容

1)悪化防止のための療養についての意見
 リハビリした方が良いよ、とか
 医療管理必要だよ、とか
 !注意!
 この意見にに従って、市町村がサービスの指定も行うことができるが、
 指定してしまうとそれ以外のサービスには保険給付が行なわれなくなってしまう

2)○○に注意してサービス受けろよ、という被保険者への意見

3)要介護認定等の有効期間に関する意見

4)要支援認定の場合には、家事援助への意見、総合事業への意見も含まれる

⑥ 認定の決定

介護認定審査会の判定に基づき、市町村が決定します。
原則、30日以内に認定or不認定の結果を出すことになっており、延長する場合には見込み期間とその理由を被保険者に通知しなければなりません。

認定の効力は申請日に朔及します。つまり、申請してから結果が通知される間に使用した介護サービスについても、介護給付されることになります。

また、「要介護」の申請なのに「要支援」の結果がでたら、いちから「要支援」の申請をやり直す必要はありません。もとから「要支援」の申請だったことにできます。その逆もあり。

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