【身体介護?生活援助?】訪問介護を確認しよう

訪問介護の定義

まずは、訪問介護と何かを介護保険法の条文から確認しましょう。

「訪問介護」とは、要介護者であって、居宅(軽費老人ホーム・有料老人ホーム・その他の厚生労働省令で定める施設における居室を含む)において介護を受けるものについて、その者の居宅において介護福祉士その他政令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるものをいう。

介護保険法第8条2 一部抜粋

このように居宅で行なう介護というのがポイントですね。

訪問介護の人員基準

訪問介護の人員基準は以下のようになっております。

管理者は兼務できること、サービス責任者にはどのような資格が必要なのか、このあたりを確認しておきましょう。

管理者常勤、兼務可能
*サービス提供責任者と兼務もできる
サービス提供責任者介護福祉士実務者研修修了者
介護職員基礎研修修了者、1級介護職員 等
訪問介護職員常勤換算2.5人以上
*サービス提供責任者含む

サービス提供責任者の役割も覚えておきましょう。

サービス提供責任者の役割のひとつに「訪問介護計画書の作成」があります。
これは居宅サービス計画(ケアプラン)に沿って作成されるものです。

訪問介護のサービス内容

訪問介護のサービスは、身体介護生活援助通院等の乗降介助の3つがある。

身体介護とは

身体介護とは、以下に当てはまるものです。

身体介護

①利用者に直接触れる介護サービス(その前後の準備・片付けを含む)

②利用者のADL等の向上ために利用者と共に行なう自立支援・重度化防止のためのサービス

③その他専門知識・技術による日常生活上・社会生活上のためのサービス

身体介護という名前から①についてはイメージがしやすいでしょう。
イメージが難しいのは②に関するサービスです。

例えば、被服の補修(ボタン付け等)は後述する生活介護になります。
一方、利用者と一緒に手助けや見守りしながら行う被服の補修は身体介護です。

同じ被服の補修でも、「利用者と一緒に行う」という点が「②自立支援・重度化防止」に当てはまるのです。

生活援助

次に生活援助を確認します。

生活援助

生活援助とは、身体介護以外の日常生活

つまり、分かりやすく言えば生活援助とは家事支援にあたります。

内容は、掃除・洗濯・調理・買い物・薬の受け取り 等です。

本人に関わる援助が基本ですので、家族のために行なうサービスは生活援助には該当しません。
例えば、本人以外のための掃除や洗濯、買い物、来客の応接などです。

また、①介護職員が行わなくても日常生活には支障がないこと(草むしり、花の水やり)や、②日常の家事を超える行為(大掃除、正月等の特別な手間がかかる調理)も生活援助には該当しません。

身体介護と生活援助の見極め

① 直接身体へ触れる、もしくは自立支援や重度化予防になる
  ⇨ 身体介護

② 利用者には直接触れない、また利用者の自立支援や重度化予防にもつながらない
  ⇨ 生活援助

通院等の乗降介助

訪問介護職員が自ら運転する車への乗降の介助をすることです。

ケアマネ試験の出題頻度としては少ないですが、以下に注意が必要です。

2021年改正にて、居宅が終点または始点となるならば、出先で病院⇨病院間の移動もOKとなりました。
それまでは、A病院とB病院に行こうと思ったら、間に自宅を挟む必要がありました。あくまでも居宅から病院へ行って帰ってくるのが目的とされていたからです。
ただ、実情を反映できていなかったので2021年の介護報酬改正で改善されました。

身体介護として行えること

訪問介護では医療行為はできません。

しかし、以下の行為は厚生労働省の定義では医療行為をされていないため、訪問介護で行なうことが可能です。

・体温計、自動血圧計、パルスオキシメーターを使用した測定

・軽い創傷の処置

・以下の医薬品の使用
 軟膏、湿布、座薬、点眼薬、一包化された内服薬の内服介助

・以下の清潔ケアえ
 歯磨き介助、爪の手入れ、耳垢除去、ストマ破棄

上記の行為は訪問介護でも可能です。

しかし、実際には訪問介護事業所ごとにできないと定めているところもある印象ですね。
特に、爪切りや座薬の使用はヘルパーさんの心理的ハードルが高いようで、訪問介護では実施せずに訪問看護等に任せているところがある印象です。

コメント