アクアセルAgの使い方を復習しよう

はじめに

皆さんはアクアセルAgについてどのような印象を持っていますか?

「日常の看護業務内でよく目にすることはないけれど、たまに使われているな」

「皮膚排泄認定看護師の指示で使用しているけれど、正直なんで使っているのかは知らないな」

というのが本音ではないでしょうか?

今回はそんなアクアセルAgについて理解していきましょう。

アクアセルAgの特徴は?

アクアセルAgとは、ハイドロファイバーという素材から作られています。ハイドロファイバーは高い吸収性を特徴としており、アクアセルAgは自重の25倍の水分を吸収できるとされています。水分を吸収したアクアセルAgはゲル化することで創面の湿潤環境を保ち、創治癒を促進します。

また、名前からも分かるように銀イオン(Ag)を含んでいますので、抗菌作用を有しています

どんな創に対して使用できるの?

アクアセルAgは以下の創に対して有効に使用できます。

  1. 皮下組織に至る創傷用
    D3の褥瘡に対して保険償還されます
  2. 浸出液が多い創
    既述のように高い吸収性を有するので、浸出液が多い創に対して使用することができます。
  3. 感染兆候がみられる創
    一般的には感染兆候を有する創にはドレッシング材を使用できません。しかし、抗菌作用を発揮するアクアセルAgは感染創に対しても使用することができます。

使用方法は?

アクアセルAgを創部よりも1cm程大きく切って使用します。

アクアセルAg単体には粘着作用がないので、上からカバードレッシングやガーゼを必要とします。

創部が深い場合には、創部の深さの1/2~1/3に充填して使用します。

<使用方法の具体例>

真皮までの創傷に対してデュオアクティブETを使用開始。しかし、浸出液が多いために交換の間隔が短くなり、創傷管理が難しくなっている。

対応:アクアセルAgを創部に当ててから、フィルム材で固定する。

⇒アクアセルAgの高吸収性に期待した使用方法

交換の目安は?

一般的には、アクアセルAgがゲル化したら交換します。

注意点は?

  • 浸出液の少ない創傷には向いていない

高吸収性を有するアクアセルAgですが、浸出液の少ない創傷に使用することで創面の乾燥を促す可能性があるので向いていません。

まとめ

いかかでしたでしょうか?今までなんとなく使用してきたアクアセルAgの正体が分かってきませんでしたか?

これから、創傷被覆材を使用する際の選択肢の一つにアクアセルAgを自信を持って挙げてもらえると嬉しいです。

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