便の中から薬が出てきた!?医師に報告?ゴーストピルについて知っておこう。

便の中からオキシコンチンが!医師に報告する?

看護師2年目の時にこんなことがありました。

癌性疼痛に対して、オキシコンチンを定期内服している患者さんのオムツ交換の時のことです。

オムツ内の便の中から、オキシコンチンがそのまんま出てきているのを発見しました。

なぜ、オキシコンチンだと分かったのかというと、薬の識別コードがはっきりと読み取れるくらい、そのまんまの形だったからです。

「疼痛コントロールの為に麻薬を内服しているのに、薬が吸収されていない!?」

「消化吸収機能が低下しているのか?点滴の鎮痛薬に替えた方が良いのでは?」

「医師に報告しなければ!」

そう思った私は、医師に報告する旨をリーダー看護師へ伝えると、

「そういうのはゴーストドラックって言うの、大丈夫だから先生には言わないで」

そう指導されました。

この時、私は初めてゴーストピル(ゴーストドラック・ゴーストタブレット)について知りました。

ゴーストピルとは

直訳では「薬のお化け」でしょうか?

ゴーストピルとは、「有効成分が放出された後の錠剤が便中に排泄されたもの」のことを指します。

不溶性(水に溶けない)の錠剤の骨格だけが排泄されているので、薬の主成分の吸収には問題ないとされています。

添付文書にも明記されていた

オキシコンチン錠の添付文書には以下のように説明されています。

9.適用上の注意

(4)製剤残渣:本剤のマトリックス基剤(抜け殻)が人工肛門あるいは糞便中に排泄される場合があること、その場合本剤の成分は既に吸収されているため、臨床的に問題はないことを患者に説明すること。

引用:オキシコンチン錠添付文書(シオノギ製薬)

ばっちり書いてありました。看護師は薬剤の使用目的は知っていても、添付文書まで読むことは少ないのですが、やっぱり添付文書は大切ですね。

どんな薬がゴーストピルになるのか?

調べたところ、オキシコンチン錠以外にも以下の錠剤がゴーストドラックになりうるようです。

  • デパケンR錠(抗てんかん剤)
  • ペンタサ錠(潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤)
  • スローケー錠(カリウム製剤)

まとめ

少なくとも看護学生時代にはゴーストピルなんて言葉は聞いたことがなかったように思います。臨床で出会うことがないとなかなか学習する機会がありませんので、看護師2年目で学ぶことができてラッキーでした。

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