介護保険の保険料について

はじめに

第1号被保険者と、第2号被保険者の保険料について確認していきます。

第1号被保険者の保険料について

保険料はどのように決まるのか?

第1号被保険者の保険料は、3年に1度、政令で定める基準に従って、各市町村で条例により算定された保険料率により算出されます。

第1号被保険者は、所得水準に応じて、原則9段階の定額保険料となっています。

保険料の基準を定めるのは国、実際の保険料を定めるのは市町村

徴収方法は2パターンある

市町村が第1号被保険者から保険料を徴収するには、2つの方法があります。

①特別徴収 と ②普通徴収 です

①特別徴収

・年金を18万円以上もらっている第1号被保険者は、年金から天引きされる
・この「年金」には老齢年金だけではなく、遺族年金や障害年金も含まれる
・第1号被保険者からの徴収はこの特別徴収が多数を占める

具体的な流れをざっくり説明すると、以下のようになる。

年金保険者が18万円以上ある人を市町村へチクる
⇨市町村は、それぞれの人からいくら天引きしてほしいのかを年金保険者に伝える
⇨年金保険者は徴収したお金を市町村へ納入する

②普通徴収

・年金18万円未満の第1号被保険者には、納入通知書を送付して保険料を徴収する
・第1号被保険者の配偶者世帯主にも連帯納付義務が生じるので、かなり確実に徴収できる仕組みになっている
・保険料の納期については、市町村が独自に設定できる
・コンビニ払いOK

保険料の滞納について

特別徴収は、強制的に年金から天引きする仕組みのため滞納が生じることはない。
しかし、普通徴収では納付書による徴収なため滞納が発生することがある。

滞納1年以上

介護サービスは、現物給付から償還払いへ
 *一旦、全額を支払う

滞納1年半以上 保険給付の一時差し止め
止められた保険給付は滞納分に補填される
 *償還払いの申請をしても、返ってくる予定だった給付は
  滞納分に使われているので、お金が返ってこないことになる
滞納2年以上 自己負担割合が上げられる
高額介護サービス費等も使えなくなる

第2号被保険者の保険料について

保険料について

健康保険の場合は、
各医療保険ごとに定められている保険料率と、被保険者の収入に応じて決められます。

国民健康保険の場合は、
世帯単位で算定して、世帯主から徴収することになっています。

徴収方法は1パターンのみ

第1号被保険者と異なり、第2号被保険者の保険料の徴収方法は1つのみです。

流れとしては、以下のようになります。

医療保険の各保険者が、医療保険料と一緒に第2号保険料を徴収
⇨各医療者は、そのお金を『介護給付費・地域支援事業支援納付金』として『社会保険診療報酬支払基金』へ納付
⇨社会保険診療報酬支払基金は、各市町村へ介護給付費交付金・地域支援事業支援交付金』として交付する

このように、第2号被保険者が支払った保険料は、支払基金を経て市町村へ渡されます。
その際に、コロコロと名前が変わるのでややこしいですが、「納付金」と「交付金」というそのまんまの名前が付いているだけです。

保険料の滞納について

国民健康保険加入者にのみ、滞納が発生する可能性があります。

理由として、国民健康保険料を滞納すると、結果的に一緒に徴収されるはずだった介護保険料も滞納することになるからです。

一方、健康保険の場合には、給料からの天引きになるので滞納は生じません。

国民健康保険加入者が滞納した場合には、償還払いに変更され、保険給付の一部または全部が一時差し止めになります。

保険料に関する第1号と第2号のまとめ

これまで学んだことをまとめると、以下のようになります。

  第1号被保険者 第2号被保険者
保険料はどう決まる? 3年に1度の政令を基準にして、
各市町村が条例で決める
各医療保険者が定める保険料率により算定
徴収方法は? ①特別徴収
 18万円以上の年金の場合には
 年金から天引き
②普通徴収
 ①以外の場合には、納付書送付
健康保険料と一緒に徴収
だれが徴収する? 市町村 各医療保険者⇨支払基金⇨市町村
滞納がありえるのは? 普通徴収の対象者 国民健康保険加入者

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